へバーデン結節は全身症状と知ると理解できる

ヘバーデン結節と全身症状

へバーデン結節は全身症状と知ると理解できる

 

へバーデン結節は手の第一関節(DIP関節)や親指の付け根の関節(CM関節)だけではなく、足の中足関節(MP関節)、足関節、ひざ関節、股関節、腰部、背骨、頚部にも発症します。 例えば、股関節の変形で人工関節を入れるような人、腰では狭窄症、分離症、すべり症などがある人で、同様に背骨や首にも起こります。

このように、へバーデン結節は全身の関節に発症しますが、特に重力とのバランスの崩れたところに集中しています。へバーデン結節や関節リウマチはどちらも軟骨を破壊するという特徴があり、それは「重力」が原因なのです。

つまり、重力の負担とその時間経過が軟骨を破壊していくので、治療法も「重力の負担」を軽減させる「部分固定」を最優先されなければならないのです。炎症期(急性期)が三~六か月あり、その期間に骨破壊(変形)を最小限に食い止めることがすべての関節に必要なのです。

へバーデン結節は膠原病(自己免疫疾患)のひとつ!

膠原病は全身の関節や筋肉、血管、皮膚などに炎症が起こる病気の総称と言われていますが、発症しても見落とされていることが多いのです。
原因は本来、自分の体を守るはずの免疫機能に異常が生じ、細菌やウイルスから体を防御したり、除去したりするはずのリンパ球が誤作動して、自分の体の一部を攻撃してしまうのです。

そこから膠原病は、「自己免疫疾患」とも呼ばれています。

中でもよく知られている「関節リウマチ」は、炎症期において関節内の滑かつ膜まくや滑かつ液えきが急激に増え、腫れと共に次第に関節の骨を変形、破壊していきます。さらに進行すると、脱臼や骨折まで伴う病気なのです。
炎症期の関節炎と関節破壊を最小限に食い止めるには、運動可動域を残して、重力の負担度(破壊力)より安静度(治癒力)が上回る「固定」を中心に考えることが必要です。

「ヘバーデン結節」も、足・ひざ・股関節・腰・背骨・首に関節リウマチと同じような炎症、腫れを伴い、重力の負担度(破壊力)が上回ることにより変形、骨破壊を進行させてしまいます。「ヘバーデン結節」は、関節リウマチほど症状はひどくなりませんが、リンパ球が血管を通って全身に流れ、その際に関節の一部を攻撃することで滑膜に炎症が生じ、痛みや腫れを繰り返しながら関節リウマチに似た変形と骨破壊を起こします。

このことから、「ヘバーデン結節」も膠原病(自己免疫疾患)のひとつであると言われています。また、これに女性ホルモン(エストロゲン)が関係しているとも言われています。関節リウマチに関しては多くの人が理解していますが、「ヘバーデン結節」が同じように全身に広がり、さまざまな関節の痛みや腫れ、変形、骨破壊を起こしていることは、一般的にも、医療関係者にもあまり知られていないため、医療現場で見落とされていることが多いのです。これが、医療現場の盲点になっていると考えているのです。

加えて、膠原病(自己免疫疾患)は関節だけでなく、いろんな臓器にも悪影響を及ぼし、微熱や疲労感、関節痛、さらには目や口の渇き、倦けん怠たい感かんなどの症状が起こります。また、全身性エリテマトーデス(全身の炎症)、肺炎、胸膜炎など他の難病を併発するので、最初に専門医の受診が必要なのです。