治らないひざ、それは「ひざへバーデン」
「ひざヘバーデン」とは、「ヘバーデン結節」がひざに発症した状態を指します。一般に言われている「変形性ひざ関節症」とは異なるのですが、まだこれが一般の人に知られていないのです。
だから、長年治療しても「ひざが曲がらない」「正座ができない」人が増えているのです。治らないひざの痛みは仮称「ひざヘバーデン」で、手の第一関節が変形する「ヘバーデン結節」がひざにも発症しているのです。
多くの人に知って頂きたいので、私はあえて「新発見カサハラ理論」として二十年前から訴え続け、この事実に対する気づきのきっかけにしています。
なぜなら、「何年治療しても良くならない」「治らないで年々悪化していく」という患者さんのほとんどが、ひざに発生したヘバーデン結節だからです。ひざの痛みを訴える中年以降の女性に「ひざヘバーデン」の人がかなり多く見られますが、これを見落としている接骨院や医療機関が多いのが現状です。そのために治せず悪化させ、健康寿命が短くなったり、生活の質(QOL)が低下したり、医療費の増加に歯止めがかからないという状況の一因になっているのです。
こんな症状と経過なら「ひざへバーデン」
その主な症状は、次の五項目にあてはまります。このような特徴がある人たちの多くに、「ひざヘバーデン」が隠れていて、最終的には人工関節の手術を勧められる場合も多く見られます。「ひざヘバーデン」は「関節リウマチ」とは異なりますが、「関節リウマチ」と似たような症状があり、重力の負担に弱く「骨が変形しやすい」「もろい」「骨破壊が起こりやすい」という共通点があります。
症状
●ひざに水が溜まり、何回も抜いている
●ひざが少し腫れていて、ときどき熱っぽい
●痛みが激しく、歩くのが怖い。夜間の痛みもあるので「ヒアルロン酸」の注射をしている
●痛みが軽くなった後、急にO脚や骨の出っ張りなどの変形が進んだ
●「何年も治療したのに治らない」「とうとうひざが曲がらず、正座ができなくなった」
区別する手段として、「ヘバーデン結節」という病気があるかどうかのチェックをします。
チェック項目
-
まず手の第一関節が太くなっていたり、変形して横に曲がっていて痛むなどの確認をする
-
次に手の親指の付け根の関節「CM関節」の出っ張りや痛みを確認する
-
その次に「足ヘバーデン」の特徴となる、親指が外方向にねじれて変形し爪が外を向く(回内位)で「ひどい外反母趾」があるかないかを確認する。
これらに加え、「症状と経過」を参考にすると、ほとんどの場合、区別することができます。
これが「ひざヘバーデン」の治療法
「ひざヘバーデン」と気づいたら一刻も早く、「サラシ包帯固定」を行い、骨の変形、破壊を防ぎ、骨の損傷を最小限に食い止めることです。
「サラシ包帯固定」で、重力の負担度(破壊力)より安静度(治癒力)が上回る固定により変形や骨破壊を最小限に食い止めると、自己治癒力や自然治癒力が最大限に発揮され、それだけ早く治り、ひざも正常に近く曲がり、正座ができるようになる人が多いからです。
治らないなら、今からでも遅くない、勇気を出して治療の原点・根本療法となる「サラシ包帯固定」に立ち戻ることです。それができていないから治らない、そのため、ひざの悪い人が三千万人以上と推測され、そこから介護される割合が五・七倍以上と言われているのです。
「サラシ包帯を用いた固定法」は、ひざを45度に曲げて巻くので普通に歩け、ひざも曲がるし、血行不良や筋力も落ちません。逆に「加圧トレーニング効果」により鍛えられるのです。日常生活への支障は極めて少なく、五~六回の練習でそれなりにうまく巻けるようになります。しっかり巻いた「サラシ包帯固定」は、今までの「固定」という苦しいイメージとは異なり、多くの場合「巻いていた方が気持ち良い」「楽で安心」という安全本能が出てくるので継続できるようになります。初めは、こんなに巻かれて「重症患者みたい」といって嫌がる人もいますが、そういう人でも二、三日で楽になるので、逆にサラシを外すのを嫌がるようになります。
結果として、できるだけ早く「サラシ包帯固定」をすると、それだけ早く痛みが薄れ、変形や骨破壊を最小限に防ぐことができるので、痛みはじめの炎症期・急性期に勇気を出して巻くのが大切なのです。たとえ、何年か経過していたとしても手遅れではなく、巻いておくことで、その後の経過や予後の状態が飛躍的に良くなるということを覚えておいてください。