アキレス腱の痛み

40歳以降のひどい外反母趾

アキレス腱の痛み


アキレス腱の痛みは、次の三つの種類に分けられます。

アキレス腱炎
スポーツや急な長時間歩行の後、アキレス腱の中間付近の一部が腫れて痛みが伴います。足関節を背屈させる(足先を上に反らし上げる)と痛みが増すのが特徴です。

アキレス腱周囲炎
下腿三頭筋(ふくらはぎの筋肉)が常に緊張していて、慢性的にアキレス腱を引っ張ってしまうため、その付着部が炎症を起こし、かかとの痛みや骨が隆起する変形(ハグルント変形)が起こります。

アキレス腱滑かつ液えき包ほう炎えん
②の症状と共に、かかとが靴と擦れて、アキレス腱の付着部の周囲の滑液包(アキレス腱踵骨後部滑液包やアキレス腱皮下滑液包)に炎症を起こし痛みが出ます。

原因

①浮き指があると、指を上げてかかとを多く着いて歩くので、その状態でスポーツをしたり、長時間歩行すると、アキレス腱を緊張させ、過度のストレスがかかる
②浮き指状態での歩行は足底筋群が緊張して、下腿三頭筋が慢性的な疲労状態となる
③浮き指状態での歩行に加え、窮屈な靴を履き、アキレス腱付着部周囲の滑液包に炎症が起きる

アキレス腱炎とアキレス腱周囲炎は、腰椎が圧迫されて変形した骨棘(こつきょく)が、坐骨神経を圧迫するために起こり、その割合は約80%にも及びます。指が浮いているため、かかとへの過剰な衝撃が腰に繰り返され、軽いヘルニアを起こしているのです。アキレス腱断裂の約80%は、腰椎の異常によるものです。40歳以降の女性では、「へバーデン結節」が隠れた原因になっていることが多いです。

自分でできる治療法

カサハラ式足裏バランステーピング法で、ゆるんだ中足関節をしっかり補強し、足裏のバランスを整えて指を踏ん張って歩けるように促します。テーピングが難しい場合は、「包帯と靴下との併用法」で対応します。

●さらに、足関節に包帯を巻き、負担度より安静度が上回る固定を三ヵ月位行います。なお、症状がひどい場合は、約六ヵ月間の固定が必要です。

●履物は、ひも靴やスニーカーなどに専用の免震インソールを入れて、地面からの過剰な衝撃とねじれの負担を軽減させます。